スタッフ

監督:小林茂(こばやし・しげる)

1954年新潟県南蒲原郡下田村(現三条市)生まれ。長岡高校、同志社大学法学部卒。足尾鉱毒、ハンセン病や水俣病患者救援活動に関わり、その傍ら柳澤寿男監督の助監督として映画制作を学ぶ。佐藤真監督『阿賀に生きる』(92)の撮影により日本映画撮影監督協会第1回JSC賞受賞。長野県佐久総合病院の地域医療を描いた時枝俊江監督『地域をつむぐ』(96)、北海道の炭鉱に生きた人々を描いた藤本幸久監督『闇を掘る』(01)で撮影を務める。
監督作品として、障がいのある子どもを受け入れる札幌の学童保育所「つばさクラブ」を描いた三部作『こどものそら』(97~00)、重度障がい者の自立生活を描いた『ちょっと青空』(01)を発表。2002年に脳梗塞で倒れるも復帰し、重症心身障がい児(者)施設「第二びわこ学園」を描いた長編ドキュメンタリー映画『わたしの季節』(04)で文化庁映画大賞、毎日映画コンクール記録文化映画賞、山路ふみ子福祉映画賞などを受賞。06年、腎不全をおしてケニア取材を敢行し、ケニアのストリートチルドレンの生き様を描いた『チョコラ!』(09)を劇場公開。
著書に「ぼくたちは生きているのだ」(岩波ジュニア新書)、「チョコラ!アフリカの路上に生きる子どもたち」(岩波ブックレット)など多数。2013年度長岡市「米百俵賞」受賞。

撮影:松根広隆(まつね・ひろたか)

1970年神奈川県生まれ。 ドキュメンタリーを中心にフリーのカメラマンとして映画やテレビなどで活動中。主な撮影作品に寺田靖範監督『妻はフィリピーナ』(94)、橋本信一監督『掘るまいか』(03)、酒井充子監督『台湾人生』(09)、『ふたつの祖国、ひとつの愛 イ・ジュンソプの妻』(14)、押田興将監督『サンキュー窃盗団』(12)、など。本作『風の波紋』で日本映画撮影監督協会 第24回JSC賞を受賞。

現場録音:川上拓也(かわかみ・たくや)

1984年北海道生まれ。エンジニア職を退職後、2010年度映画美学校ドキュメンタリーコースを受講。NHKドキュメンタリー番組の編集助手を経た後『風の波紋』に参加。フリーの録音・編集としてドキュメンタリー作品を中心に活動。酒井充子監督『ふたつの祖国、ひとつの愛 イ・ジュンソプの妻』(14)には録音として参加。

音響:菊池信之(きくち・のぶゆき)

1945年栃木県生まれ。68年より小川プロダクションに所属。制作部を経て、82年から録音を担当。小川紳介監督『ニッポン国古屋敷村』(82)、『1000年刻みの日時計 牧野村物語』(87)などを手がける。そのほか主な作品に、佐藤真監督『阿賀に生きる』(92)、『SELF AND OTHERS』(00)、ダニエル・シュミット監督『書かれた顔』(95)、諏訪敦彦監督『M/OTHER』(99)、『H story』(01)、青山真治監督『EUREKA』(00)、『共喰い』(13)、フォン・イェン監督『長江に生きる 秉愛の物語』(07)、河瀨直美監督『玄牝』(10)、アッバス・キアロスタミ監督『ライク・サムワン・イン・ラブ』(12)、ヤン・ヨンヒ監督『かぞくのくに』(12)など。

プロデューサー:矢田部吉彦(やたべ・よしひこ)

1966年フランス・パリ生まれ。小学生時代を欧州、中学から大学までを日本で過ごす。大手銀行に就職し、在職中に留学・駐在でフランス、イギリスに暮らす。退職後、映画の配給・宣伝やドキュメンタリー映画のプロデュースを手掛ける一方でフランス映画祭に携わるようになり、2002年から東京国際映画祭のスタッフに。04年以降、上映作品の選定を行う作品部を統括。07年からはコンペティション部門の作品選定ディレクターを務めている。『阿賀に生きる』の10年後をカメラに収めた佐藤真監督『阿賀の記憶』(04)の製作に参加。小林監督の前作『チョコラ!』でもプロデューサーを務めた。

プロデューサー:長倉徳生(ながくら・のりお)

1958年東京都生まれ。写真学校を卒業後、フリーカメラマンとして活動。後にアマチュア写真に可能性を感じ、1988年より写真教室の講師を多数経験、現在も継続。96年、佐藤真監督と有限会社カサマフィルムを設立、佐藤監督と共にテレビドキュメンタリーを制作。現在、代表を務める。撮影作品に楠山忠之監督『ひとりひとりの戦場~最後の零戦パイロット』(15)など。

編集・アソシエイトプロデューサー:秦岳志(はた・たけし)

1973年東京都生まれ。大学在学中よりBOX OFFICEの映像制作部でテレビ番組、映画予告編、イベント映像制作を担当。同社運営のミニシアター「BOX東中野」の運営にもオープン当初より約5年間、中心スタッフとして参加。映像制作のかたわら93年より劇団解体社にて映像・技術監督も務め、その後マネージャーとして多くの海外ツアーを担当。99年フリーランスとなり、現在はドキュメンタリー作品と予告編の編集を中心に活動。編集した主な映画作品に、佐藤真監督『花子』(01)、『阿賀の記憶』(04)、『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(05)、ジャン・ユンカーマン監督『チョムスキー9.11 Power and Terror』(02)、小林茂監督『わたしの季節』(04)、『チョコラ!』(08/兼アソシエイトプロデューサー)、畠山容平監督『テレビに挑戦した男・牛山純一』(11)、福間健二監督『わたしたちの夏』(11)、真鍋俊永監督『みんなの学校』(14/編集協力)など。

編集協力:山崎陽一(やまざき・よういち)

1955年青森県西津軽郡森田村生まれ。季節労働者、テキ屋見習などの後、寺山修司が主宰する天井桟敷に入団。舞台監督などを務めると共に、『ボクサー』他5本の短編映画制作に参加。1982年、ユーロスペース入社。映写技師、支配人を経て山田勇男監督『アンモナイトのささやきを聞いた』(92)で映画プロデュースを手がける。その他プロデュース作品に山崎幹夫監督『プ』(95)など。94年、ミニシアター「BOX東中野」をオープン。初代支配人として数々の意欲的なプログラムを組み、ピョン・ヨンジュ監督『ナヌムの家』(95)、カーマ・ヒントン監督『天安門』(97)、森達也監督『A』(97)、平野勝之監督『由美香』(97)などドキュメンタリーやカルト映画を積極的に上映する映画館として高い評価を受ける。近年はビルクリーニング技能士の資格を取り、さすらいの掃除人として都内でビル清掃をする傍ら、『チョコラ!』(09)や『風の波紋』(15)などで映画編集のアドバイザーも務める。